失業保険は私たちの生活を支援してくれる給付制度ですが、そもそもどのような仕組みなのでしょうか。今回は失業保険を取り巻く保険制度や失業保険の目的、仕組みについてご説明します。
失業保険の目的と仕組み
失業保険は雇用保険制度の一部
失業保険と雇用保険。どちらも良く聞く言葉で混同しがちですが、明確な違いがあります。端的に説明すると、失業保険は雇用保険という保険制度の一部なのです。厚生労働省によると雇用保険によって運営される事業には大きく分けて2つあります。
①失業した労働者に対して、職業教育訓練を受けた場合や、生活の支援・就職の促進のために手当などの給付を行う
②失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るための事業を行う
つまり雇用保険とは、就業支援や能力開発、労働福祉の増進など雇用に関する全般的なサポートを行う保険制度のことを指します。そして失業保険とは、雇用保険の事業の一部にすぎません。①の事業の1つということになります。
失業保険の目的
雇用保険制度の1つである失業保険は、会社を離職した人が次の就業を円滑に行えるように、失業者の生活支援および求職活動のサポートを目的として設置された給付金制度です。たとえば会社の倒産などで突然失業し収入が途絶えてしまった人は、毎日の生活費を得ることに精一杯で安定的な就業が難しくなるかもしれません。そのような時に失業保険から金銭的な援助を受けることで、失業者は当面の生活を心配することなく仕事探しに専念できるようになるわけです。